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九州大学大学院芸術工学研究院
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■■ 珪藻庵・オープニング・イベント ■■

鈴木理恵子バイオリン・リサイタル「植物文様を弾く」

■日時:2010年7月2日(土)19:00 スタート 入場無料
■会場:九州大学箱崎キャンパス・
      統合新領域学府ユーザー感性学(旧工学部五号館)6 階・第2教員室
      
http://www.kyushu-u.ac.jp/access/map/hakozaki/hakozaki.html
   ---地図の表示のE「旧工学部五号館(統合新領域学府〜ユーザー感性学)の建物です。

九州大学箱崎キャンパスにあるユーザー感性学専攻の一室が珪藻土によって生ま れ変わりました。「珪藻庵」と名付けられたその空間は、超微小な多孔性をもつ 珪藻土の作用により、「気」が循環する場となったのです。1200万年間の植物プ ランクトンの堆積から生まれた珪藻土に囲われた場を共有するなかで、われわれ 自身の身体的な感覚の変容が実感できるかもしれません。「珪藻庵」のオープニ ングを記念して、珪藻土の場のなかで珪藻土について語り合いたいと思います。 また、「珪藻土の声」というサウンド・インスタレーションも合わせて公開しま す。ぜひとも、珪藻土がつくる濃密な場にふれてみてください。

◆トーク「珪藻土からの想像力」
出演:
山本俊樹(日本ダイアコム工業) 
信濃康博(建築家) 
吉原勝己(吉原 住宅)
南博文(九州大学大学院人間環境学研究院) 
藤枝守(九州大学大学院芸術工学 研究院、作曲家)〜進行

◆サウンド・インスタレーション
「珪藻土の声」藤枝守 〜〜焼成した珪藻土の内部に織り込まれた無数の多孔性の空洞は、不可視であり ながら豊かな音響世界が内包されている。この珪藻土の塊を水に沈めることに よって、この超微小な空洞に水が浸透し、その内部の空気がはき出されて微細な 響きのパターンが生まれる。「珪藻土の声」ともいえるこの響きのパターンは、 時間的な推移のなかに顕在化した珪藻土の多孔空間の変容だといえる。このイン スタレーションでは「珪藻庵」に塗られた同じ石川県七尾産の珪藻土が使われて いる。

◆オープニング・レセプション

■問い合わせ先:tel.090-5931-7441
         ishidanokodomo@gmail.com (石田陽介)
■企画:九州大学大学院統合新領域学府ユーザー感性学専攻(PTL)

 

藤枝守のブログにて「珪藻庵」が生まれるまでの経緯や写真が紹介 されております。  http://mfujieda.exblog.jp/

 


■■ NEW CDの販売のご案内 ■■

■藤枝守「ラジエーテッド・フォーリング」

Obscure Tape Music of Japan vol.11
藤枝守「ラジエーテッド・フォーリング」 Mamoru Fujieda "Radiated Falling" (CD)

Edition OMEGA POINT Archive Series OPA-011
定価:¥2,600(税込価格

 あらかじめ録音された音素材に電子的な変調を施した2つのテー プ作品をソノシートとして発表しました。その当時、ロック雑誌 「マーキームーン」の付録としてソノシートを製作しましたが、そ の後、このソノシートの音源を修正し、編集し直してあらたなソノ シートをALMレコードから1981年にリリースしたのです。  この2つの作品のうち、《Radiated Falling》 (1980)は、六本木のアートセンターで発表された内山昭太 郎のヴィデオ作品「Radiation」のための音楽として作曲さ れ、その音素材となったのが《Falling Scale no.2》 (1975)というピアノ作品でした。この《Falling Scale》という作曲シリーズは、下降音階のみが音楽の構成要素とな り、音階を構成する音数や構成音が下降するときの時間的なずれに よって、あらたなパターンが自動的に生成されるという手法が用い られています。  もう一つの《The Art of Fugue》(1981)は、当時 のソノシートでは《Time Wrapped Bach》というタイトルで発 表された作品で、バッハの《フーガの技法》の第1曲目の4声 の単純フーガが音素材となっています。このフーガの4つの声 部は、ランダムに切断され、その切断された声部のさまざまな断片 を組み合わせて4つのあらたな声部が再構成されます。この再構成 された4つの声部のそれぞれは、プレパレーションの異なるピアノ によって多重録音されて、このテープ作品の音素材となりました。  この2つのテープ作品では、リング変調やフェイズシフター、 ハーモナイザー、複雑なディレイ操作、空間的な音像処理など、さ まざまな電子的な処理が施されていますが、これらの処理は、すべ てローランド製のsystem700というシンセサイザーのモデュー ルによって行われています。

■Pattems of Plants

TZADIKからの第二弾CD。2007年10月の自由学園明日館「モノフォニー・コンソート」公演での笙や筝、ヴァイオリン演奏によるライブ録音盤。無伴奏ヴァイオリンのための第14集や最新作の第17集、第18集を収録。

TZADIK 2008
定価:¥2,500(税込価格


藤枝守:クラヴィコードの植物文様  砂原悟(クラヴィコード)

「植物の声」がうめこまれた《植物文様》。バッハの時代の鍵盤楽器、クラヴィコードによって《植物文様》は「フラジャイルな響きの綴れ織り」に変容する。

Milestone Art Music
定価:¥2,500(税込価格)

詳細のご案内 

かすかな響きにふれる 〜クラヴィコードの魅力 

 さまざまな音に取り囲まれた環境のなかで生活していると、かすかな音に気づかないことがあります。いっけん静かな部屋のなかにいたとしても、空調や冷蔵庫などからの機械音は、かすかな音を覆い隠してしまい、われわれは、かすかな音にふれる機会を失っているようにみえるのです。  かすかな音がもつ魅力に気づいたのは、じつは、クラヴィコードという小さな鍵盤楽器に出会ったことがきっかけでした。あるとき、チェンバロの見本市のような催しに出かけました。さまざまなタイプのチェンバロが並べられた会場で、バッハの有名な《ゴールドベルク変奏曲》が演奏されたのですが、変奏曲ごとに異なるチェンバロが弾き分けられていきました。ただし、冒頭と最後に現れるテーマだけは、クラヴィコードによって演奏されたのです。バッハも愛用したといわれクラヴィコードは、17、18世紀のヨーロッパに広まった楽器で、タンジェントという金属片によって弦を押し上げる発音メカニズムをもち、弦を引っ掻くチェンバロやハンマーで叩くピアノとまったく異なった音を生み出します。そして、その響きは、きわめて小さいのです。
 《ゴールドベルク変奏曲》の演奏された会場は、けっして音がよく響くような環境ではなく、また、来場者も多かったので、このクラヴィコードの音はかき消されてしまうのではと思われました。しかしながら、そのかすかな音に耳をそばだてていくうちに、次第にその細やかなニュアンスをもった響きが鮮明にきこえてきたのです。さらに、そこに居合わせた多くの人たちも同じようにクラヴィコードに集中している様子で、そのかすかな響きにわれわれ全員の意識が吸いよせられているような不思議な一体感を体験することができました。
 われわれは、コンサートホールのように響きが整えられ、外部からの音が遮断された空間で音楽を聴くことが当然だと思っています。このような空間で聴くオーケストラは、たしかにその壮大な響きでわれわれを圧倒します。そして、前面 の舞台からやってくるオーケストラの響きを体全体で受けとめ、その響きに身を委ねるという楽しみもあります。しかしながら、このような閉鎖された空間で聴く壮大な響きには、なぜか拘束的で排他的な力がはたらいているような気がするのです。たとえば、会場内にいる人たちが不用意にたてた音がみょうに気にさわったり、自らも周りに対して異常に気をつかったりしてします。  クラヴィコードの響きを体験して以来、かすかな音の魅力を考えるようになりました。あのときに味わった一体感は何だったのか。耳をそばだてていくうちに意識が研ぎ澄まされていくような感覚は、どうして生み出されたのか。なぜ、周囲からの音がそれほど気にならなかったのか。  この十年間くらい、《植物文様》という作曲シリーズを続け、東京では、フランク・ロイド・ライトの設計で有名な自由学園明日館などで公演を定期的に開催しています。《植物文様》には、ピアノやチェンバロのための曲集もあり、ピアニストの砂原悟さんによってよく演奏されていました。2年ほど前に砂原さんからクラヴィコードで《植物文様》を演奏してみたらどうだろうという提案があり、以前のかすかな響きの記憶がよみがえりました。そして、明日館のラウンジホールで「クラヴィコードの植物文様」という公演が実現しました。
 ライトのデザインによる大きな窓が特徴的なラウンジホールは、50-60人でいっぱいになる空間ですが、クラヴィコードの響きにふれるには程よい大きさでした。砂原さんによる《植物文様》の演奏は、休憩をはさんで70-80分くらい。はじめは、観客の方々もクラヴィコードのかすかな響きに戸惑いを感じているようでしたが、次第にその響きに馴染んでくると、会場全体が心地のよい緊張感に満たされていくようでした。時より、外からきこえてくる車のエンジン音もクラヴィコードの響きに呼応しているようでした。演奏後、ある方から窓越しにみえる月のゆっくりとした運行をみながら聴きましたというコメントもいただきました。クラヴィコードが醸し出すかすかな響き。その響きにふれるうちに、それまで気づかなかった気配を感じ、その場で起きているさまざまな出来事を素直に受け入れられるようになる。このことが、クラヴィコードの魅力かもしれません。
 その後、ギャラリーや教会、能楽殿などで「クラヴィコードの植物文様」の公演を続けています。

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■■ 出版のご案内 ■■

■平凡社ライブラリー 新刊
[増補]響きの考古学
音律の世界史からの冒険

 

藤枝守 著 1,300円(税別)  

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